日中交流振興協会編集・発行
TOP2007年第1期人物インタビュー
 

今、日本で一番使われている飲食店検索サイト「ぐるなび(GURUNABI=Gourmet Navigator)」。加盟店が自分の店の最新情報を「ぐるなび」サイトに更新する。利用者は、食べたい場所や料理、目的等を入力して検索すれば、ふさわしい店の最新情報が得られるというシステムだ。一昨年11月、上海版ができた。その画期的な検索サイトを作り上げた滝会長にお話をうかがった。

編集部:滝会長の中国との出会いはどんなことからですか?

滝会長:今から約25年くらい前に、敦煌の研究者として名高い常書鴻さんと、瀧冨士美術賞のレセプションでお会いしたことが縁で中央工芸美術学院(現清華大学美術学院)へ奨学金を送ることになったんです。それが中国とのお付き合いの始まりです。

鉄道関係でも、1996年に北京西駅ができたとき、僕の提案した広告企画が採用されました。また、李鵬出席のオープニングセレモニーの時、コンコースの真ん中に設置されていた芍薬の花の写真は、私が寄付したものです。

もう1つはうちの妻の関係で、癌の特効薬として世界的に権威と実績のある天仙液を作った王振國さんと知り合ったことがきっかけで、延吉市から招待を受け、経済講演をしたこともあります。その時登った長白山は、滅多にない晴天だったんです。

そして、最近では一昨年11月のぐるなびの上海進出

編集部:「ぐるなび」のお話をお願いします。

滝会長:情報系の産業革命であるインターネットと外食産業を組み合わせて新しい仕組みが作れれば、世界に通用すると思っていました。日本でそれが成功した今、世界への一歩として興味があったのは、食の発展している上海でした。

「ぐるなび」は、上海レストラン協会の会長が日本に来た時にぐるなびのサイトを見て、「すばらしい!常に新しい情報が入る、このきめ細かいサイトを中国でもぜひ普及させたい。上海でやりませんか?」といってくれたことがきっかけです。掲載店はもう8000店くらいあります。

編集部:「ぐるなび」という名前ですが、かわいいですね。

滝会長:「お母さん、お腹すいた!」って感じの名前ね。「ぐるなび」の開通記念式典で、中国の方がとてもいい名前だって言ってくれました。「ぐるなび」を皆さんがもっと知ってくれるといいよね。「ぐるなび」は日本人で知らない人はいないからね。

外食というのは、行く前にメニューが見られないし、店の雰囲気もわからない。口コミとか、普段から存在を知っている店にしか行かないんですよ。でも、「ぐるなび」を見れば、行く前に友達と相談したり、どんな店か確認できるんですよ。

店にとってのメリットもある。外食では昔から立地が大事だった。しかし今は、家賃の高い表通りに店を構えなくても、「ぐるなび」で検索できれば地図が出るから、裏通りの店でも安ければお客は来るよね。

まず、北京オリンピックまでに、「ぐるなびは便利だね」と言われるようにしたい。

編集部:中国との友好活動を色々とやってらっしゃるんですね。

滝会長:僕は、「本質的な社会貢献」をライフワークにしていて、自分の財産の一部を中国と日本の国民レベルのコミュニケーションに使いたいと思っています。

日中交流にちょうどいいと思うのが「書」で、その分野で最大の実績が、2000年の「日中書法展」です。日中を代表する各100人の書家の展覧会というのは、長い間書家たちの夢だったんですね。日本では、書道界はいくつかの団体に分かれていて、いつも話がまとまらず、なかなか実現しなかったんですが、中国仏教会会長で書家でもある趙樸初さんが参加してくれるなら、ということで話がまとまったんですね。周恩来が建設した西安市の陝西歴史博物館でやりました。日中親睦にはぴったりだったと思います。


国民のモラルの上昇とか、社会をよくする効果があるといわれているパブリックアートも僕のライフワークでね。欧米社会では公共工事費の1%はアートに使うという基本ルールがあります。ところが、日本には無いんですね。僕はそれに関してもう31年啓蒙活動をしているんですが、パブリックアートというのは私が言い出して、25年目に認められた。日本では駅がパブリックスペースの代表ですから、そこにステンドグラスや陶板レリーフを設置することをやってきまして、今、全国に438個あります。

来年には、池袋から渋谷まで7駅の東京メトロ副都心線が開通するんですが、各駅に現在の日本を代表する作家のアート作品が2つぐらいずつ設置されるので、外国の方が日本に来たときには、是非見てみてほしいですね。

中国の若い経営者と、読者にメッセージをお願いします。

滝会長:今、中国は若い成功者がどんどんでてきていますが、そういう方々が日本の若者とお互いにお金を少しずつ出し合って、公益運動や文化交流をしてほしいですね。21世紀のいい若者社会をつくるというのかな。それに、本物の日本人、本当の日本を見てもらいたい。そうすれば、話す前提が変わり、急に親しくなれる気がするんです。そのためには、お互いいいところを見合わなければならない。僕自身のキーワードは「尊敬される日本、尊敬される日本人作り」だね。

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