日中交流振興協会編集・発行
TOP2007年第3期食文化
 
しゃぶしゃぶの歴史と語源

「しゃぶしゃぶ」とは、ごく薄切りの牛肉や、野菜などを熱湯の中でゆすぐようにサッと煮て、たれをつけて食べる料理であることは、皆さん、もうご存知だと思います。日本の料理の代表のように言われていますが、ルーツは中国の「涮羊肉」です。一説によると、京都のお茶漬け・水炊き(日本の鍋料理の一つ)の店の主人が、中国で生活していた人から食べ方を聞き、日本人向けに肉を羊から牛に変えてお茶漬けの上にのせて出したのが始まりとされています。その後1952年に大阪の永楽町スエヒロ本店というステーキを中心とする牛肉料理専門店が、自店のメニューの1つとして加え、「しゃぶしゃぶ」と命名したということです。

ではその名前の「しゃぶしゃぶ」ってどんな発想からきたんでしょう? 日本語では、何かをすすぐときの音を「しゃぶしゃぶ」という擬音語で表現します。当時の店主が「おしぼりをタライで「しゃぶしゃぶ」する様子が鍋のなかで肉をふる動作と似ていた」ということで名づけたそうですが、日本人にはその様子とネーミングが誰にでもわかりやすかったのでしょう。その後、類似メニューを「しゃぶしゃぶ」として出す店が多くなり、日本国内で完全に定着していったのです。そして海外の人々からも、食べなれている牛肉を使った日本料理として広く好まれるようになり、「しゃぶしゃぶ」は今や日本語のままで世界に通用する国際語になったといっても過言ではありません。

すき焼きの語源と歴史

すき焼きとは、肉を浅い鉄鍋で焼いた、あるいは煮た料理です。語源は、江戸時代に農夫が農具の鋤(SUKI)の金属部分を鉄板の代わりにして魚や豆腐を焼いて食べた「鋤焼き」から取ったとする説や、薄くきった肉を意味する「剥身(SUKIMI)」から「剥き焼き」となったとする説があります。すき焼きの歴史はというと、始まりは以外に新しく江戸時代(1603年~1868年)末期ごろになります。なぜかと言うと、飛鳥時代に日本に仏教伝来すると、朝廷は殺生を禁止し、675年には「肉食禁止の詔」を発布して、犬・鶏・牛・馬・猿の肉を食べることを禁止しました。犬は番犬として、鶏は人を起こすのに役立ち、牛・馬は大切な労働力として、猿は人に類似しているためという理由でした。その後、明治時代(1868年~1912年)に入るまで肉食禁止は続き、解禁されたのは1971年のことです。鎖国が終わり、西欧諸国との外交のため、明治政府はフランス料理を宮廷の正式料理に採用するためです。翌年明治天皇が自ら牛肉を食べて庶民に示し、そのときから文明開化のシンボルとして、関西地方では「すき焼き」が、関東地方では「牛鍋」が庶民の間で大流行しました。

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