日中交流振興協会編集・発行
TOP2007年第3期日本の雑学
 
ますます便利になる日本の交通

この3月、首都圏の私鉄各社が交通ICカード「PASMO」のサービスを開始しました。電車もバスもお買い物も、カード一枚でらくらく利用できるPASMOは大人気!当初の予想をはるかに上回る売れ行きで、4月9日には発行が300万枚を突破してしまったため在庫が少なくなり、一時的に販売が停止される事態になってしまいました。8月には販売再開の見込みです。

どうしてそんなに人気があるのか。PASMOは今までの交通カードに比べてどれほど便利になったのか。外国人旅行者にとっても使いやすいものなのか。今回は交通カードの元祖であるオレンジカードから最新のPASMOやSuicaに至るまで、首都圏の交通カードの歴史と現在の事情。そして、SuicaやPASMOの使い方についてもご紹介したいと思います。

カードで切符が買える「オレンジカード(Orange Card)」の登場

1985(昭和60)年、国鉄(日本を網羅する鉄道会社であるJR各社の前身)から発売されたのがオレンジカードです。オレンジカードとは、自動券売機で切符の購入に利用できるテレホンカードに似たカードのこと。乗り越しの清算にも利用できます。切符を買うための小銭を用意しなくてもよいという便利さから、当時は日本中で使用されていました。オレンジカードは、「オレカ(ORECA)」とも呼ばれています。記念プリペイドカードや企業の作ったオーダーメイドの「オレカ」も多く発売され、プレミアムが付いたものもありました。オレカは現在でも販売が続けられ、日本全国で利用することができます。

改札を通れる磁気式カード「イオカード(IO Card)」

自動改札機にそのまま入って(In)そのまま出る(Out)ことから、「(In)」と「Out」の頭文字をとって名付けられた「IO Card(イオカード)」。発売元はJR東日本(首都圏から東北地方を網羅する鉄道会社)です。1991(平成3)年、東京の山手線で初めてサービスが開始されました。イオカードは自動改札機に通すだけで運賃が自動的に精算される他、オレンジカードと同様に券売機で切符を購入することや、乗り越し清算をすることもできる便利なカードでした。その後、ICカードのSuicaが登場したことにより、イオカードはその役目を終え、現在は販売やサービスが中止されています。

エリア内共通利用カードシステム「パスネット(Pass Net)」

関東地方の私鉄22社局共通の磁気式プリペイド乗車カードシステム。これが「パスネット」です。2000(平成12)年10月に登場しました。イオカードと同様、自動改札でそのまま運賃を精算することができるパスネットですが、その大きな違いは加盟22社局の区間内であれば、自由に乗り継ぎができることです。東京を縦横無尽に走る私鉄路線を一枚のカードで利用することができるのは本当に便利です(JR東日本では使用することができません)。

もはや鉄道利用にとどまらない。非接触型乗車カード「Suica」

2001(平成13)年11月、JR東日本が満を持して導入したのが非接触型乗車カード「Suica」です。イオカード同様、券売機での乗車券購入や自動改札でそのまま運賃が精算できることに加え、カードに入金することで繰り返し使用できる機能や提携している店舗で商品を購入できるマネー機能など、様々な機能が盛り込まれています。Suicaの新しいところは、非接触型ICカードであるという点。改札機の上にある読み取り機にタッチするだけで改札を通過することができるため、カードをパスケースから取り出す必要がありません。JR東日本はこの機能を「Touch & Go」と呼んでいます。また、通常の無記名の「Suica」カードだけでなく、個人情報を登録することで紛失時の再発行が可能な「My Suica」や定期券機能を持つ「Suica定期券」、VIEWカード(JR東日本が発行しているクレジットカード)にSuica定期券の機能を加えた「VIEW Suica」など、通勤通学から休日のお買い物まで、あらゆる使い方ができるSuicaが登場しています。

首都圏の私鉄とバス、JRでも使える優れものカード「PASMO」

「PASMO」は、Suicaの首都圏私鉄版ともいえるカードです。非接触型ICカードで、再発行可能な「記名PASMO」や「PASMO定期券」など様々な種類があり、お店や自動販売機で商品を購入できる電子マネー機能があることもSuica同様です。また、それまで首都圏のバスで使われていた「バス共通カード」の機能も含み、バスで利用することも可能です。PASMOには新しい機能としてオートチャージ機能があります。これは、クレジットカードを登録しておけば、改札機にタッチするだけで自動的にお金がチャージされるという機能です。チャージしたお金は預金口座から引き落としされます。忙しい現代人にとっては、とてもありがたい機能ですね。そして、PASMOはJRのSuicaとの相互利用も実現させています。そのおかげで首都圏では、JR東日本(Suicaの利用区間)と私鉄(PASMOの利用区間)を一枚のカードで利用することができるようになりました。

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